「出張買取を使ってみたいけど、なんだか不安で…」
そんな気持ち、よくわかります。私も初めて出張買取を利用したときは、玄関先で業者さんを待ちながら「本当に大丈夫かな?」とドキドキしたのを覚えています。
でもご安心ください。しっかりと準備をして信頼できる業者を選べば、出張買取は安全にご利用いただけます。この道のプロである私が事前準備と査定額アップのコツをご案内いたします。
出張買取って本当に安全なの?
出張買取を初めて利用する方から、このような相談をよくいただきます。
- 本当に適正な価格で買い取ってもらえるの?
- 知らない人を家に入れて大丈夫?
- 強引に安い値段で買い取られたりしない?
残念なことに、出張買取をうたった悪質な業者も存在するので、こうした不安を抱くのも当然のことと思います。
しかし、出張買取の利用にあたっては「クーリングオフ制度」や「古物営業法」といった、お客様を守る法律が適用されます。
悪質な業者を見抜くポイントや出張買取当日の流れは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

出張買取を利用する前に準備しておくべきこと
1. 必要な書類を準備する
出張買取では本人確認が法律で義務付けられています。以下のいずれかをご用意ください。
書類の種類 | 備考・注意点 |
---|---|
運転免許証 | 有効期限内で住所が現住所と一致していること |
マイナンバーカード | 顔写真付きのもので「通知カード」は不可 |
パスポート | 有効期限内であること(※2020年2月以降に発行されたものは住所記載欄がないため、補助書類が必要な場合あり) |
健康保険証 | 住所欄が手書きの場合、公共料金の領収書などの補助書類が必要な場合あり |
在留カード・特別永住者証明書 | 外国籍の方の場合 |
その他 | 住民基本台帳カード(写真付き)、運転経歴証明書など(※業者によって認められる書類が異なるため、事前に確認をおすすめします) |
査定申し込み時にご確認いただくと確実です。
2. 売りたい品物をベストな状態にしておく
査定士も人間ですから、汚れた品物より、きれいで大切に扱われてきた品物の方が良い印象を持ちます。この「第一印象」が査定額に影響を与えることもあります。
どのような品物でも、ホコリを払って簡単でもよいので清掃していただけると、それだけで見た目の印象は格段に良くなります(※骨董品や美術品の場合は要注意)。
ジャンル別のお手入れのコツは以下のとおりです。
- ブランド品
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バッグや財布は、柔らかい布で乾拭きし、内部のゴミやホコリを取り除いておきます。
ただし、革製品に強力なクリーナーを使うのは、シミの原因になる可能性があるので避けていただければと思います。
衣類は、タバコや香水の匂いがついていないか確認し、風通しの良い場所で陰干ししておくのがおすすめ。アイロンで取れるシワは伸ばしておくだけで評価が上がることがあります 。
- 貴金属類
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価値の基本は「純度」と「重さ」ですが、ブランドジュエリーの場合は見た目の美しさも査定ポイント。柔らかい布で皮脂汚れなどを優しく拭き取っておきましょう。
- 骨董品・美術品
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軽くホコリを払う程度にし、絶対に自分で修理や過度な洗浄をしないでください。
古いものには、その時代の傷や汚れ自体に価値がある場合があります。素人が下手に手を加えると、かえって価値を著しく損なう危険性があります。破損箇所がある場合は、正直にそのままの状態で査定士に見せていただいて大丈夫です。
- 家電・電子機器
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査定当日に動作確認ができるよう、コンセントに繋げられる状態にしておくとスムーズです。
スマートフォンやパソコンなどを売る場合は、必ずデータのバックアップを取り、個人情報保護のために初期化(工場出荷状態に戻す)してください。
- 付属品の確認
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購入時の箱、保存袋、保証書(ギャランティカード)、鑑定書、説明書、リモコンなど、付属品が揃っていると、査定額アップにつながります。探せば出てくる可能性のあるものは、事前に全てそろえておきましょう。
3. その他の見落としがちなポイント
品物と書類の準備が整ったら、あとは査定士の訪問を待つのみです。
その前に、以下の準備もしておくと当日の交渉を有利に進められます。
売りたい品物が、現在どれくらいの価格で取引されているのか、インターネットのオークションサイトやフリマアプリ、中古販売サイトなどで調べてみてください。
正確な金額でなくても、「大体これくらい」という相場観を持っておくだけで、提示された査定額が妥当かどうかを判断する材料になります。
だいたいの相場をもとに、「これ以下の金額なら売らない」という自分の中での最低ラインを決めておきましょう。
これを決めておけば、当日の雰囲気や査定士の言葉に流されて、低価格で手放してしまうことを防げます。
これが意外と重要で見落としがちなポイントです。
相手の申し出を断ることに苦手意識を持たれているかもしれませんが、これはお客様の権利です。
提示された金額に納得できなければ、「今回は見送ります」「少し考えさせてください」と、きっぱり断っていただいてかまいません。
優良な業者であれば、それで態度が変わるようなことはありませんからご安心ください。
プロはここを見ている!(裏側をこっそりお伝えします)
査定の基本はとてもシンプルで、正直にお伝えしますと「その品物を、いくらで再販売できるか」という一点に尽きます。そこから、業者の経費(人件費、店舗運営費など)と利益を差し引いたものが、お客様へご提示する買取価格となります 。
この「いくらで再販売できるか」を決めるのが、以下のジャンルごとの査定基準です。この基準を知っておくと交渉を有利に進められるかもしれませんので、ぜひご参考にされてください。
貴金属(金、プラチナなど)
- 重量(グラム)
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0.1g単位で正確に計測します。これが価格のベースになります。
- 純度(品位)
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K24(純金)なのかK18(18金)なのか。刻印で確認しますが、刻印がなくても専門の機器で測定します。純度が高いほど価値も高くなります。
- 当日の相場
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金やプラチナの価格は日々変動しています。査定日の市場価格が基準となります。
- デザイン・ブランド価値
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単なる地金としてだけでなく、カルティエやティファニーといった人気ブランドのジュエリーであれば、製品としての価値(デザインや、宝石そのものの価値など)が上乗せされます 。
ブランド品(バッグ、時計など)
- ブランドとモデルの人気
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ルイ・ヴィトンのように流行に左右されにくい定番ブランドか、シャネルのマトラッセのような特徴的なモデルか、などが大きく影響します。
- コンディション
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傷、汚れ、角のスレ、日焼け、型崩れ、ベタつきなど、使用感が査定額に反映されます。
- 製造年・型番
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基本的には、新しいモデルほど高値がつきます(古くても希少性に価値がある製品もあります)。
- 付属品の有無
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箱、保存袋、ギャランティカードは査定額アップにつながります。
骨董品・美術品
- 真贋
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全ての評価の土台となります。当然ながら贋物は二束三文にしかなりません…。
- 作家・年代・産地
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誰が、いつ、どこで作ったものか。無名の作品でも、時代や様式によって価値が変わります。
- 希少性・出来栄え
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同じ作家の作品でも、出来の良し悪しや現存数の少なさで価値は大きく異なります。
- 来歴
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誰が所有してきたかという歴史も価値の一部となり、査定額に反映されることがあります。
- 共箱・鑑定書
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作家自身の署名がある木箱(共箱)や専門機関の鑑定書があるかは、査定に大きく影響します。
まとめ
初めての出張買取は不安かもしれませんが、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
もし分からないことがあれば、遠慮せず「新潟アリエント 小林」までご質問・ご相談ください。
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